老犬介護:フードが鼻に詰まった時の対処法

老犬介護:フードが鼻に詰まった時の対処法

フードなどが鼻に逆流して鼻詰まりを起こした時の対処法です。

コタロウは、認知症や脳障害が原因で嚥下機能が低下しています。そのため、フードなどが良からぬ場所に入った場合に、えずき、クシャミ、逆クシャミといった動作が少しずつ出来なくなってきました。

フードなら時間が経てば溶けて解消されると思いますが、鼻呼吸できない辛い状態から一刻も早く救ってやりたい。犬本人も鼻呼吸できないことでパニックになっている。

自力ではどうしようもないので、そういった時に飼い主が取るべき対処法をまとめました。

※獣医師の指導の下で行なっていますが、容態によっては適さない処置でもあるので実践する場合は自己責任でお願いします。

目次

生理食塩水で鼻うがい

リラクッションなどに乗せて立ち姿勢にし、シリンジで鼻に生理食塩水を流し込み、鼻うがいをさせる。流し込む生理食塩水の量は肩鼻約1mlずつ。

生理食塩水の作り方

生理食塩水は煮沸した水道水100mlに1gの食塩を溶かせば完成します。

顎を上げて異物を口へと流し込む方法と、鼻を下にして鼻から外に異物を出す方法に2パターンがあります。

食後のフードの詰まりは咽頭(鼻部)、つまり口内と鼻をつなぐ辺りの詰まりと思われるので、顎を上げて異物を口へと流し込む方法が良いのかもしれません。

食事による鼻詰まり以外、鼻腔内が鼻水などで鼻詰まりを起こしている時は、鼻を下にして鼻から外に異物を出す方法が良いでしょう。アレルギー性の鼻詰まりは細菌が原因なので、飲み込むよりもクシャミと一緒に外に出した方が良いかもしれませんね。

コタロウの場合、大抵は鼻うがいで鼻詰まりは解消されます。ただ、今までに数回、鼻うがいをしても鼻詰まりが解消されなかったことがあります。その時に行った対処法が以下に続きます。

水をたくさん飲ませる

水を飲む動作の際に、鼻に詰まった異物が一緒に流れるかもしれない。また、フードが溶け易くなると思い、とにかくたくさん水を飲ませました。コタロウも口呼吸のため喉が渇いている様子でした。

何かを噛ませる

噛む動作によって、嚥下機能が一時的に良くなるかもしれない。また、口内運動によって異物が取れるかもしれない。あとは、噛むことによって唾液も分泌される。そう思い、牛皮ガムや干しタラを噛ませてみました。

蒸しタオルを鼻に当てる

「何かあったらすぐ病院へ」という何の為にもならない情報ばかり掲載しているネット記事にあった対処法。それが蒸しタオルを鼻に当てるというものです。

水で濡らしたタオルを電子レンジで熱くない程度に温め、コタロウの鼻に蒸しタオルを当ててみました。本人は嫌がって跳ね除けようとするため、イマイチ効果は感じられませんでした。

ただ、鼻に刺激を与えてクシャミを誘発するという意味では効果がるかもしれません。

寝かせたり体位変換してみる

人間の場合、頭の向きを変えることで鼻詰まりが解消されることがありますよね。犬も同様のことがあるかもしれない。そう思ってコタロウを横に寝かせたり、少し仰向けにしてみたりしました。

すると、偶然かもしれませんが、仰向けにした時に待望のクシャミ。それと同時に片方の鼻がやっと通るようになりました。翌日には両鼻でスースーと呼吸して一安心。

これまで鼻詰まりを起こすとクシャミと同時にフードのカスが出てきたり、黄色い鼻水が出てきたりしたけど、この時は何も出てこなかった。あと、一度眠って、翌日も少し鼻詰まりが残っていた。フードが原因なら溶けているはず。そして、眠っている時はスースー鼻呼吸で、覚醒する鼻呼吸しづらそうにしていたから、これはもしかすると脳神経的なものが関係している気がする。

フードの鼻詰まりで副鼻腔炎になる場合も

副鼻腔炎になると黄色い鼻水が出るようになります。副鼻腔炎はウイルスや細菌、アレルギーなどが原因で発症しますが、フードの逆流による鼻詰まりでも副鼻腔炎になる場合があります。

コタロウも一時期、黄色い鼻水が2週間ほど出続けたことがありました。花粉やアレルギーなども疑いましたが、その時、頻繁にフードが逆流して鼻に逆流していたので、おそらく原因はそれ。

その際、掛かりつけの獣医師さんに鼻うがいの方法を教えてもらい、無事に黄色い鼻水が出なくなり完治。薬を使わずに済みました。

犬用の副鼻腔炎の薬

ちなみに、その時に自分で調べた犬用の副鼻腔炎の薬は下記の通り。あまりもの長続きするようなら薬の検討するといいでしょう。

関連ページ

ただ、薬には必ず副作用があることを忘れないように。特に抗生物質はデメリットも大きいので注意が必要です。

あとは、絶対に飼い主の自己判断で購入し、愛犬に処方させないでください。必ず掛かり付けの動物病院の獣医師に相談して下さい。

「ウチの子の鼻詰まりは副鼻腔炎のような気がして、調べたらこういった薬(シスロマックやアジー)があるみたいなんですが…」といった具合に。焦る気持ちを押さえて物腰柔らかく。

勉強熱心な獣医師であれば薬の存在を知っており、動物病院の方で処方してくれる場合があります。ただ、知識のアップデートが止まっている古い動物医療では副鼻腔炎を薬で治すという考えすらないので、相談して「?」だったら新しめの動物病院へセカンドオピニオンも検討すると良いでしょう。

フードの鼻詰まり予防

過酷な鼻詰まりを経験してから我が家で実践している、フードの鼻詰まり予防は以下の通り。

  • 覚醒しきってからご飯を与える
  • 食前に歯磨きや何かを噛ませて刺激する
  • 顔を高くして食べさせる
  • フードはふやかす
  • サプリは細かくする
  • 食事中も水を飲ませる
  • 食後は歯磨き

老犬は少しずつ衰退していきます。嚥下機能も徐々に低下して、フードも鼻に詰まりやすくなる。容態に合わせて、刻み食、ソフト食、ミキサー食、ペースト食と段階的に変えていく必要がある。何か起きてからではなく、起きる前に変えていくべきと思いました。

コタロウは鼻詰まりしやすい犬だったのかもしれない

思い返せば、コタロウは元気だった頃から頻繁に鼻詰まりをしていました。花粉なのか、ハウスダストなのか、フードなのか、はたまた一緒に暮らしていた猫が原因なのか、

あの頃は深夜3時頃に鼻で息を吸って口で吐いていました。吸う時はガーっと3秒ほど、吐く時は一瞬。苦しそうだから夜間救急に行こうか迷いましたが、眠ったら何ともない様子でした。

後日、病院で相談したところ副鼻腔炎かアレルギー鼻炎ではないかと診断されました。コタロウ本人的には鼻の奥に違和感があって、それを取ろうとしてたんだろうと。

ただ個人的に思うのは、副鼻腔炎かアレルギー鼻炎は寝て治らないから異物?ゴミ?が詰まっていたのかなと。鼻でガーっと息を吸って、口で吐く動作、人間でいう痰を出そうとする仕草だったのかもしれません。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

柴犬コタロウの老犬介護に生活の全てを捧げたアラサーおじさん。千葉の先端にある古民家で暮らしてます。保護猫2匹も一緒に住んでます。Twitter、Instagram、YouTubeでも老犬介護の情報を発信しています。

コメントをどうぞ

ご意見、ご感想、ご質問などお気軽にコメントください。

コメントする

目次