自力で立つことができない、歩くことができない寝たきり老犬は、どうしても足先の血流が滞って足全体が冷たくなってしまいがち。寝たきり生活だったコタロウの足先も、寒い季節にはすぐ冷たくなって、とにかく温めることに必死でした。
そんな中、毎日欠かさず行っていたのがマッサージです。特に神経が集中している足裏、肉球のマッサージは念入りに行っていました。
寝たきり老犬でも肉球のケアはとっても大事
肉球は犬の体の中では唯一「エックリン汗腺」という汗を作る器官がある場所で、体温調整をする際にとても重要な役割を持っています。ですので、肉球を清潔で健康な状態に保つことで犬自身の健康にも繋がります。
また、肉球がひび割れすると痛みや痒みを伴います。寝たきりだったり関節が硬くなった老犬は自分で肉球を舐められないので、それがとっても不快。肉球が乾燥しないよう保湿することは、ストレス防止という点でも重要なんです。
寝たきり老犬にこそ肉球マッサージを
冒頭でも記述しましたが、犬の肉球には多くの神経が集中しており、自ら歩けない寝たきり老犬は肉球をマッサージして神経を刺激してあげることがとっても大切なことなんです。
また、動物鍼灸医学においては、犬の足先にはたくさんのツボが存在すると考えられています。ツボの場所によっては「イライラを解消する」「不安な気持ちを和らげる」といった効果もあります。
そういったこともあり、我が家では肉球マッサージを毎日のルーティンにしていました。毎日欠かさず肉球マッサージを行っていた成果か「寝たきりなのに足先がこんなにも温かいのは凄い」と掛かりつけの獣医さんにはいつも褒めてもらっていました。
「アーシング」という言葉もあるように、地に足をついて「立つ」ということは心身の健康にも関わること。特に、足裏の肉球に多くの神経が集中する犬にとって、立つことはとても重要な行為なんです。
その「立つ」という行為が出来ない寝たきり老犬にとって、足裏、肉球マッサージは欠かすことができない大切なケアのひとつだと、私は考えています。
肉球マッサージには保湿クリームを使う
コタロウの肉球をマッサージする際には、肉球保湿クリームを使っていました。保湿クリームを塗ることで、肉球がしっとりしてマッサージもやりやすくなりました。
何よりも、肉球保湿クリームを継続的に使い続けることで、最初は硬かった肉球の角質が徐々に柔らかくなり、それが結果的に足先全体の血行促進に繋がったと思います。
おすすめの肉球保湿クリーム
タイトルでもお伝えしましたが、おすすめは「マッシャーズ」の肉球保湿クリームです。過酷な環境で暮らすカナダの犬ぞり用の犬のために開発された保湿クリームで、保湿性と保護性に優れています。天然成分100%なので万が一舐めても大丈夫。香りはほんのりシトラス系。
だいたい1年くらい使いましたが、ガチゴチで角質が剥がれ落ちるほど硬かったコタロウの肉球も、晩年はすっかりプニプニになってました。
ちなみに「マッシャーズ」を使う前は国産天然みつろう肉球クリームを使っていました。
ただ蜜蝋だと、どうしても手がベタベタになって、毎回、食器洗い洗剤で手を洗っていました。保湿性は良いような気はしましたが、とにかく手のベタベタになるのが嫌で「マッシャーズ」に買い替えました。
保湿クリームを使った肉球マッサージの手順
保湿クリームを塗る前に、濡れタオルや赤ちゃん用お尻拭きで肉球の汚れを拭き取ります。この時、結構な角質が取れると思います。
次に肉球を温めます。手でギュッと握って温めてもいいですし、蒸しタオルを使ってもOK。肉球を温めることで血行が促進されるだけでなく、この後に塗る保湿クリームもよく馴染むようになります。
肉球全体に保湿クリームを薄く塗っていきます。手のひらの肉球、指先の肉球、全体に馴染ませるように塗っていきましょう。
保湿クリームが肉球全体に馴染んだら、優しく肉球をマッサージしていきます。手のひらの肉球、指先の肉球、また指側面を摘むようにしたり、指と指の間の水かきも優しく摘んで刺激します。
なお、肉球を押す力は小型中型犬で500gほど、大型犬で1kgほど。キッチンスケールを指で押しておおよその力加減を計ってみてください。
最後に足先の毛などに付いた余分な保湿クリームを拭き取って終了。これを最低1日1回、できれば朝晩の2回行うといいでしょう。
老犬介護で肉球保湿クリームは必須アイテム
人間と同じで、高齢犬になると肉球が乾燥しやすくなり、肉球のひび割れなどが起きやすくなります。ですので、保湿クリームを使って日々のケアがとっても大切です。
また、コタロウのように寝たきり老犬だと、どうしても足先が冷たくなってしまいがちなので、足先のマッサージを行う際に肉球保湿クリームを使うことで、保湿も兼ねたより効果的なマッサージとなるでしょう。
肉球のケアは愛犬の健康にも大きく関わってくるので、欠かさずに行うことをお勧めします。