老犬介護をするにあたって、コタロウの目のケアについても考えた。というのも、寝たきり介護になってから瞬きをほとんどしなくなったから。眠っている時以外は、目を見開いているので乾燥が心配だった。
瞬きしない原因は顔面神経麻痺
目を閉じなくなる、瞬きをしなくなる原因として考えられるのが顔面神経麻痺。5歳以上の犬の7割以上が特発性顔面神経麻痺を発症するらしい。目を閉じなくなる以外にも、食事をポロポロとこぼす、ヨダレを垂らすといった症状も顔面神経麻痺が関係しているとのこと。
特発性以外、何かしらの原因があるとするなら、中耳炎、甲状腺ホルモン疾患、耳道のポリープや腫瘍、脳疾患などによっても顔面神経麻痺になるらしい。
コタロウの場合、我が家に来た時から脳障害の疑いがあったし、中耳炎、甲状腺ホルモン疾患で病院にかかっていたし、てんかん発作で脳にかなりのダメージが蓄積した。だから、顔面神経麻痺になる要因には心当たりがありすぎた。
食事も上手く食べられないし、器から水もほとんど飲まなくなった。これも顔面神経麻痺によるものだったのね…。
高齢犬はドライアイや結膜炎に注意
目を閉じない、瞬きをしない、涙が出なくなると、犬も目が乾きドライアイなる。ドライアイになると太陽光や風といったわずかな刺激で炎症、つまり結膜炎になってしまう。瞬きしないのは麻痺だからどうしようもないけど、目薬を使うことでドライアイと結膜炎は防ぐことができる。
コタロウは涙は出ているみたいだけど、目はかなり渇いているはず。異常興奮が続いた時、目は充血して白目の血管は赤というか、もう茶色がかっている。
人間用の目薬はたくさん種類があるけど、犬用となると意外と種類は限られている。
コタロウが寝たきりになる前、白内障予防のために千寿製薬の「ライトクリーン」を使っていた。
ライトクリーンは初発白内障の進行予防に効果がある目薬。約半年ほど使用したが、白内障が改善されたとか進行が遅くなったとか、効果の程は正直わからない。ただ、なんとなく使っていた。
高齢犬の目薬でおすすめはシーナック
そしてコタロウの介護が始まり、目の乾燥が気になってライトクリーンを使おうと思った時には使用期限が過ぎていた。新たに目薬の購入を検討して調べたところ、高齢犬には「キャンC」という目薬が人気だということが判明。
キャンCは人間用の白内障治療点眼薬だけど、犬や猫にも使ってOK。Nアセチルカルノシンが、水晶体の酸化を防ぐ抗酸化作用があり白内障の進行を抑える働きがある。犬は人間のように白内障の手術が出来ないので、キャンCによって白内障の進行を遅らせる、症状の改善が期待できるとのこと。
また、キャンCは結膜炎やドライアイにも効果あり。白内障予防もできて普段使いOKという優れもの。
ただ、値段がかなり高い。キャンCは1本3700円もする。たった5mlが3700円。ちなみに、人間用の一般的な目薬「Vロートプレミアム」は15mlで1500円。
1本5mlで3700円か…正直きつい。コタロウのため、金は惜しまないと誓ったけど、流石にこれは…。
そんな時「シーナック」という目薬を発見。シーナックはキャンCのジェネリックで成分は同じ。「CAN-C」を逆から読んで「C-NAC」となんともユーモアなネーミング。
シーナックなら10mlで2700円で購入可能だった。5mlあたり1350円。それでも高い…が、これで少しでもコタロウが快適になると思うと背に腹はかえられぬ。たった2700円でコタロウの目が良くなると考えれば安いもの。ジェネリックで1000円もお得という謎の後押しで購入を決意。
シーナックはネットで購入
シーナックは動物病院でも処方してもらえるかもしれないが、ネットなら簡単に安く購入できる。
個人で購入する場合は海外輸入になる。「海外だけど大丈夫?」と不安かもしれないが、動物病院で処方してもらう場合も、どのみち海外輸入なるので全く同じ物。どこで買うかの違いだけ。
シーナックは「ペットくすり」で購入した。ちなみに猫の薬もこのサイトで買っている。
1本だと2700円くらいだが、10本セットだと1本あたり2200円と安くなる。10本使うならまとめて買ったほうがお得だけど、果たして使い切ることは出来るのか?途中でコタロウが…なんてことも考えた。そもそも、1本使うのに何日かかるのか?
シーナックの使用方法には「1回1〜2滴を1日4回」とあった。目薬は1滴で約0.05ml。1回2滴を1日4回なら1本25日の計算になる。意外とあっという間だ。ただ、目薬にも使用期限があるので注意しなければ。
あと、シーナックは人間が使ってもOKな目薬。飼い主もドライアイ気味なので、最悪余っても自分が使えばいい。いや届いたら普通に使おう。コタロウとシェア。
ということで、10本まとめて購入した。
注文してから届いたのは約2週間後。コロナの影響で海外輸送に遅れが出ている。
シーナックを使ってみた感想
シーナックに清涼感はない。スーッとしたり、しみる感じの刺激もない。涙にすぐ馴染む感じ。コタロウが朝起きたら、散歩の前、食事の際、寝る前と1日4回を目安に点眼している。
シーナックの副作用は、刺すような刺激感、一時的なかすみ目、目まい、呼吸困難などが低頻度とあるが、今のところ問題なし(コタロウも飼い主も)
あと、ピレノキシン製剤(ライトクリーン・カリーユニ・カタリン)との併用はダメとあったので要注意。
キャップ内側のトゲが目の中に入った
シーナックはキャップの内側にトゲのような突起があって、それを押し込む事で容器に穴が空いて目薬が出るようになる仕組み。外国製の容器に多いタイプ。
ある日、このトゲが取れていて、目薬をさした時にコタロウの目に入った。
さらに、このトゲが目の奥に入り込んでしまった。かなり焦った。1分ほどアタフタして、結局、押し出すようにして何とか取れたけど、眼球が傷ついたかも。何ともなさそうだけど、異変が起きないか心配だ。
目薬をさす時に気付けば…まさかトゲが取れるとは思わなかった…ごめんね。この容器、初めからトゲが曲がってた。海外輸入はこういうのが怖いと実感した。